【アワード受賞記念】住野ゆかりインタビュー(前編)

2015年4月に開催されたカラーミーショップ大賞で「LesBliss(レスブリス)」は総合賞銅賞(6万店舗中の4位)に輝きました。前年の大賞は「北欧、暮らしの道具店」、2015年の大賞は「sou sou」と有名ショップが並ぶ中で、いち主婦の運営するアクセサリーショップ「レスブリス」はどのようにして全国第4位の快挙を達成したのか。前編ではショップをはじめるきっかけや、こだわりのコンセプトに迫ります。

インタビュアーは住野ゆかりの同級生であり歌手として活躍する中田美紗子さん。
女性起業家やママさん店長は必見ですよ!


日中は子ども中心だから仕事はできなくて、夜寝かしてひと段落ついて、さあって言って始めることが多いです

― まずはですね、改めましてゆかりさんのやっているレスブリス、アクセサリーのショップっていうのについて今日はいろんな質問、素朴な質問をしていきたいと思います。

住野ゆかり はい。

― まず最初に、レスブリスっていうのは、どういう意味とか聞かれると思うんですけど、そこを簡単に教えてください。

住野 はい。blissが英語で「至福」「幸せ」っていう意味で、アクセサリーを通じて、幸せをお届けしたいなっていう思いをそこに込めていて。私が作った造語ではあるんですけど。

― なるほど。じゃあこのアクセサリーをつけて、ハッピーな気分になってねっていう感じですね。

住野 そうですね。

― アクセサリーを自分で作る人が増えてきてると思うんだけども、実際に始めようとしたきっかけっていうのは?

住野 元々自分用とか、お友達にプレゼントするために作っていて、それをフリーマーケットで売ったりとかして、みんなが喜んでくれるのがすごい嬉しくて、それが始まりですね。

― 既にフリマで売ったりするっていうのをやってたんですね。

住野 そうそう。今思えば。

― 割とやってる方が多いじゃないですか、ハンドメイドアクセサリーって。だけど実際にそれをショップを作って自分で販売して不特定多数の方に、届けようっていうことをしようと思ったきっかけは?

住野 子どもが今2人いるんだけれども、1人目を妊娠したときに、元々違う仕事をしていて、子どもがいて家でできるお仕事ないかなって思っていて、でアクセサリーをやっていたから、ちょっとそれやってみようかなという感じでやり始めた、5年前ぐらいに。

― 5年目。

住野 それがきっかけかな。

― 時間の使い方が外にお仕事に行くのとは違うと思うんだけども、育児をしながら、家事をしながら、でショップに売る物を作る。その時間配分っていうか、毎日同じ時間にできるわけじゃないよね。

住野 本当にその通りで、日中はやっぱり子どもがもちろん生活の中心になってるから、日中は仕事のことはやらないようにして、子どもの世話をして、寝かしてひと段落ついて、さあって言って夜から始めることが多い。

― 夜から!じゃあ夜デザインや製作をして、そこで作品が生まれるわけ。

住野 梱包とかもすべてほとんど夜中にやって。発送は日中しかできないから、時間配分はやっぱり今でも悩みの種というか。

チャットは会って話してるみたいにお客様とやり取りできて、それがすごい楽しい


― ネットショップっていうことは、ネットでやり取りもあるわけですよね。それも結構大変じゃない?

住野 チャットとかもつけていて、私が答えられる時間であれば、リアルタイムでお話できる。本当にもう実際会って話してるみたいな感覚で、お客様とやり取りできてて、それがすごい楽しくて。

― それはきっとお客さんも安心だし、なんかお店でやってるみたいな感じ。

住野 そうそう、やっぱりね、目に見えない、手に取れない物を買うっていうことで、直接ね。その場で質問してもらって、お答えしたりとか。私もね、寝てるときもありますけど(笑)。 私もそうなんだけど、ネットショッピングするときに気軽に見てほしいなって。買い物するとかいう感じじゃなくて、どういう感じで組み合わせてるのかな、ファッションと組み合わせてるのかなとか、そういうのも気軽にサイト見てほしいなって。

― そっかそういう着画も多いですね。こういうときにはこういうふうにつけて。

住野 毎日洋服、私のコーディネートとアクセサリーを合わせてますよっていう写真も載せてたりとかするので。それを参考に見てもらえたらいいな。

ブレスレットってふとした瞬間に手元を見るとオシャレしてるなって、それだけでちょっとテンションが上がるんです


― ママに優しいというコンセプトの意味っていうのかな、それは自分の経験から生まれたのかな?

住野 やっぱりママになって、今までつけてたアクセサリーがつけられなくなるっていうことに気づいて、それはデザインだったりとか、子どもの肌に当たっちゃって危険じゃないかなとか、やっぱり赤ちゃんって何でも引っ張るから、引っ張られたら切れちゃうんじゃないかとか。そういういろんな心配があって、アクセサリーつけるのあきらめようかなっていうふうになっちゃうと思うのね。それじゃもったいないし、もっとオシャレ楽しみたいし、楽しんでほしいから、もっとママに優しいアクセサリーっていうのをやってる。

― じゃあ同じ子育てをしているママ向けっていうふうに捉えていい?

住野 本当に私と同じように、子育てでもう日々必死になってやっている人たちに向けて、届けたいなって思ってる。もちろんデザイン的にはママじゃなくても普通に使えるんだけど、あくまでターゲットはそこにこだわってる。でもそこからやっぱりお母様にプレゼントするとか、嬉しい広がりとかもあって。

― それはいい広がりですね。

住野 一口にママと言っても20代から40代までいろんな世代の人につけてもらってすごい嬉しいですね。

― そっか、ママたちって毎日忙しいし、それこそ壊れたり傷ついたりって考えると高価な物はつけられないとかね。そう考えると「もうつけなくていいや」ってなっちゃうママが多いよね。

住野 そうそう。オシャレとかもどうせ汚れちゃうから、もういいや何でも、公園で汚れちゃうしとかっていうふうになってきちゃう。

― もったいないね確かに。

住野 そう。もったいないと思って。

― 赤ちゃんを抱っこしてたりとか、そういうことも含めると、素材とかにもこだわってるのかな。

住野 肌当たりとか、素材とか。ママは日々の生活で炊事とか家事しなきゃいけないから、水に強かったりとか、汗に強かったりとか、そういう素材にこだわって出してます。

― じゃあ赤ちゃんが触れても、割と大丈夫なようにって。すごいな。その条件の中でデザインするって大変じゃない?

住野 やっぱり実用的なだけじゃだめで、オシャレじゃないと。そこはもう譲れなくて。オシャレで実用的であるっていうのが、両方ないとダメかなって思ってる。

― 理想的だね、ママって出かける機会も減っちゃったりしてオシャレから遠ざかってるかもしれないし、普段の生活の中でもちょっと楽しめるっていう。

住野 そう。お出かけしなくても、家の中でちょっとつけてるのが目に入ったときに、家事しながらでも、ちらっと見えたときに、ちょっと気分が“上がる”ような物を作りたいなって。

― ネックレスとかピアス、ブレスレットって、いろいろ商品作られてるけど、その中でブレスレットが多いっていうのに何かわけがあるのかしら?

住野 私がすごくブレスレットが大好きで、重ね付けするのがすごく大好きで。っていうのもブレスレットってアクセサリーの中で唯一自分で目にすることができるアクセサリーで。ピアスとかネックレスだと、鏡写さないと見えないけど、ブレスレットだったら手元を自分でふっとした瞬間に、手元が目に入ると、それだけでちょっとオシャレしてるなとか、テンションが上がるなとかっていう気持ちにさせてくれるから、自分のためにつけるっていう感じでブレスレット大好きで。

― 私オシャレをしてるっていう気持ちになるよね。

住野 昔は、人からこういうふうに見られたいから洋服選ぶとか、アクセサリーをつけるとかいう選び方をしてたけれど、今はなんか自分のために、自分がテンション上げるためにこれをつけるってオシャレの動機が変わってきた。

― なるほどね。確かにね。なんか自分の気持ちが明るかったり、ハッピーだと子どもに対しても。

住野 そう周りもすごいハッピーになるから、みんなに優しくなれるって、みんなハッピーっていうね。

永久保証は「付けるのをあきらめないで欲しい」っていう願いを込めてます


― ネットショップって商品を手にとってお店で買うわけじゃないから、品質とか壊れたりしないかなとか不安ですよね。レスブリスはなんと永久保証!?

住野 そうなんです。

― 普通はね1年保証とかってねあると思うの。でも永久にするってなぜそうしようと思ったんだろう?結構負担があるんじゃない?

住野 単純にずっと長く使ってほしい!私が自分の定番としてずっと長く、自分のデザインしたアクセサリーを使いたいっていうのと同じで、みなさんもずっと長くつけてほしいなっていう思いからだけで。育児してると結構いろんな場面があって、ハードに動いたりとか、本当に子ども追い掛け回したりとか、そういうことも出てきて、壊れちゃうこともあるけど気にせず安心して使ってほしい。

― それはすごい魅力だと思うんだけど。

住野 ネットショッピングだから本当に、手元に実物がない状態で買い物をしていただくから、そういうのがあることで安心して、買ってもらえたらいいなっていう思いもあって。

― やっぱりお子さんがいて家事だ育児だ動いてると、安心して使えないと思うんだよね。壊れたらどうしようってね。だからそういう人も気軽に使ってもらえる。

住野 付けるのをそこであきらめないで、大丈夫だから付けてほしいっていう。

― そっかそっか。いつもオシャレな洋服着られるわけでもないじゃない。普段着のファッションに合わせてつけたりするの?

住野 本当になんかもうデイリーな、デニムにシャツ、Tシャツとかでも、ちょっとアクセサリーつけるだけでグッと女性らしさがプラスされるから。

― そうよね。なんかワンポイントだけでも、気を使ってるなっていうのが。

住野 そうそう。そこのなんかプラスのさじ加減ってすごい威力がある気がして。そのままなんかこうメンズライクな感じでいるよりは、ちょっとなにかをプラスしてあげるだけで、普段のただの近所のお買い物とか、子どもと公園行くとかでも、ちょっと気分を変えて。

― なんかあきらめモードじゃないっていうことだよね。

住野 そうそう。

― 自分の意思がちゃんとある。

住野 上げようみたいな。

― それ大事だよね。

住野 でもそれ簡単なことで、できるから。すごくいいなと思って。やっぱりあきらめてた人が楽しい気持ちで、ちょっとした楽しみでつけられたらっていうね。無理せず。

家事も育児もショップ運営も全部完璧は難しいから7割でいいと思ってます


― 今回ね、賞を受賞していろんな記事でも拝見して、ママがやってるって驚いた思うの結構。そういう同じ育児をされてるママたちから見たら、そんな育児もショップもできるの?って思う、その秘訣ってなにかな?

住野 やっぱり全部を完璧に頑張りすぎないこと。

― うんうん大事。

住野 もう家事も完璧で、自分のやりたいことも完璧、育児も完璧っていうのは多分どう頑張っても、難しいかなって思っていて、疲れちゃうよね。そこはまあ周囲の協力とかもすごいやっぱりね、支えられてるっていうのがあるけれど、自分でもそんなに気負いすぎないで。それぞれ7割できれば合格かなって。

― お子さんは知ってるの?作ってること?

住野 なんとなくママこんなことしてる、アクセサリーを作ってるっていうのは、結構意識してて。下の娘が3歳なんだけど、女の子はすごくそういう意識が、アクセサリー自分もつけたいとか。もう3歳でママと同じのつけたいとか。

― じゃあ例えば子ども用じゃないけど、ちょっとしたお揃いとか。

住野 お揃いとかも本当に作りたい。やっぱり娘がアクセサリーつけたいっていう年齢になってきたから、自分でもお揃いでつけられたら楽しいなってすごい思っていて。

― 可愛いね。すごく高級な物をね、子どもにつけるってできないし。

住野 買いやすい値段で。

― そう。すごく手ごろでね。

住野 お揃いにできたらいいなって。

ママ世代は安っぽいのも嫌だけど、高級すぎると怖くて付けられない


― 普段は付けないけども、ちょっとしたとき、付けられるアクセサリーみたいな、お祝いのときとか、お食事行くときとかってあったりする?

住野 そうそう。私もお食事に行ったりとかする機会って、すごい少ない。主婦の、ママの日常生活の中からしたらすごい少なくて。ただそのときのためだけにアクセサリーを新調するっていうのは、やっぱりちょっとね。

― 難しい。

住野 難しい。現実的には難しいし、やっぱり引き出しの中でアクセサリーが眠ったままっていうのはすごくもったいないし、だから私のアクセサリーは、毎日、デイリーにもつけられるし、お出かけにもつけられるようなデザインとか素材とかにしていて。

― 普段から使える。

住野 普段から使える。本当に1つあれば公園に行くときから結婚式までつけられる、っていうのは意識して作ってます。

― 例えば18金とかってなるとすごく値段が跳ね上がっちゃって、気軽に買えないと思うんだけど、今使ってる、なんていう、

住野 14金ゴールドフィルド。

― そう。14金ゴールドフィルドっていうの?見た目とても綺麗だよね。

住野 見た目はもう本当に金そのもので、輝きがゴールドなんだけれど、18金とかよりは本当にリーズナブルで。

― すごいなって思ってて。

住野 で、汗とか水とかにも強くて、ちゃんとしっかり高級感のあるゴールドの色が出るから、すごいママにはぴったりの素材だなと思って。

― そう、サイトで見てても、遜色ないというかめちゃくちゃ綺麗だから、こんな値段で買えるんだって逆に。

住野 やっぱり30代、40代のお客様が多くて、そうなってくるとちょっと安っぽい物をつけたくなくて、ちゃんとした物をつけたいけれど、やっぱ子どもと生活する中で、18金とか、ダイヤモンドとかつけるのはちょっと怖い、切れちゃったらどうしよう、落としちゃったらどうしようっていうのがストレスになっちゃうから。

― そうね、失くしちゃったらとか、壊れちゃったときのね。

住野 そんなストレスを感じながらつけるよりは、気軽につけられるのでずっと探してたらこの素材に行きついたという感じ。

― とってもいいね。これなら試したくなるっていうか。

住野 もう気軽にね、使って試してもらって。

― そうか、汗とか水に強いっていうのはすごく大事だね。やっぱりそういうシーンはね、結構多いです。

住野 欠かせないもんね炊事とか洗濯するのも。

― なるほど。剥げちゃったりとかしない?

住野 剥げない。メッキとかだとやっぱり黒ずんだりとか、使おうと思ったら黒くなったり。

― そう。安かろう悪かろうはこのことかと思ったことがあって。

住野 そんなこともなくて、クリーニングもちゃんとできて、私のほうでクリーニングとかもするので。

― 贈答品にもいいね。

住野 そうプレゼントにも本当に喜んでもらえて。旦那さんから奥さんへとか、ママからお母様へとか。あとは自分へのご褒美としてギフトラッピングされる方もいらっしゃって。全国の旦那さんはもっと頑張ってる奥さんへプレゼントして欲しいですね!

(後編へ続く)


インタビュアー

中田美紗子/音楽unit【FAiCO】vocal.MiSA

川崎市麻生区のイメージソング「かがやいて麻生」を歌う。
東北大震災復興応援song「Start Line」が川崎市の公共CMに起用。

株式会社レスブリス / 住野ゆかり Official Web Site

株式会社レスブリス/住野ゆかり Official Web Site

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